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2018年10月08日
ブルガリア当局は7日、北部ルセ(Ruse)で女性ジャーナリストがレイプされ、殺害されたと明らかにした。事件と被害者の職業が関係しているかは不明だが、女性は最近のテレビ番組で政治家らが絡む欧州連合(EU)資金の不正利用疑惑を取り上げていた。ジャーナリストらの間に衝撃が走り、国際機関などから非難の声が相次いでいる。ルセの検察当局によると、殺害されたのはテレビで活躍していたジャーナリストのビクトリア・マリノバ(Viktoria Marinova)さん(30)。遺体が6日、ドナウ(Danube)川沿いのジョギングコース近くで発見された。死因は頭部外傷と窒息で、白昼に殺害された可能性が高いという。携帯電話、車の鍵、眼鏡、着衣の一部がなくなっており、検察はプライベートで事件に巻き込まれた可能性と仕事絡みの可能性の両面から捜査を進めている。ムラデン・マリノフ(Mladen Marinov)内相は後に、マリノバさんがレイプされていたことも認めた。ボイコ・ボリソフ(Boyko Borisov)首相は、多くの証拠が集まっていると述べ、「犯人が見つかるのは時間の問題だ」としている。警察関係者はAFPに対し、事件がマリノバさんの職業と関連しているようには現時点では思えないと述べている。とはいえ、事件を受けて国外から即座に非難の声が上がった。欧州安全保障協力機構(OSCE)でメディアの自由を担当するアルレム・デジール(Harlem Desir)代表はツイッター(Twitter)に「マリノバ氏に対するおぞましい殺人に衝撃を受けた」と投稿。直ちに徹底的な捜査を行うことを要求した。ジャーナリストの権利保護や世界各国の言論弾圧の監視に当たる非営利団体、ジャーナリスト保護委員会(Committee to Protect Journalists)も「野蛮な殺人に衝撃を受けている」と表明。ブルガリア当局に対し、あらゆる手段を尽くして捜査し、関与した者を法の裁きにかけるよう求めた。マリノバさんは地元の小規模な民間テレビ局TVNで、最近再開された時事問題に関する番組を担当。9月30日に放映されたエピソードでは、実業界や政界の大物が関わるEU資金の不正利用疑惑の調査をめぐって、ジャーナリスト2人をインタビューしていた。2人は一時警察に身柄を拘束されていた。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」によると、ブルガリアは2018年版の報道の自由ランキングで111位と順位をさらに下げ、EU加盟国の中では最低水準にある。一方、国内では元交際相手や夫による殺害など、女性に対する暴力もはびこっている。
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