世界的な玩具ブランド「LEGO(レゴ)」をテーマとする屋外型テーマパークは世界で8番目、日本では初進出

「レゴランド・ジャパン」が名古屋にオープンした


レゴランド・ジャパン

レゴランド・ジャパン
4月1日、名古屋市港区に「レゴランド・ジャパン」がオープンした。世界的な玩具ブランド「LEGO(レゴ)」をテーマとする屋外型テーマパークは世界で8番目、日本では初進出となる。園内のいたるところにレゴブロックの恐竜や動物などの模型が設置され、中心部の「ミニランド」には東京や大阪、名古屋などの街並みが再現された。3月17日に行われた報道陣向けの事前内覧会で、レゴランド・ジャパンのトーベン・イェンセン社長は「家族一緒に1日中遊べる。全国から遊びに来てほしい」と期待を込めた。東京ディズニーリゾート、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に次ぐ巨大テーマパークが、ついに名古屋にも誕生――。「レゴ」という世界ブランドを冠するテーマパークだけに、期待したくもなるが、テーマパークとしての位置づけは、ディズニーやUSJとはまったく異なる。まず、敷地面積は東京ディズニーランドの約51ヘクタール、USJの約39ヘクタールに対し、レゴランド・ジャパンは9.3ヘクタールしかない。総投資額は約320億円と、今後開業予定のディズニーランドの「美女と野獣」(約320億円)の新施設と同水準で、USJの「スーパーマリオ」(約500億円)の新施設一つにも及ばない。潜水艦に乗って魚が泳ぐ水中を探検できる「サブマリン・アドベンチャー」といった特徴的な施設も一部にあるが、絶叫系のジェットコースターなど大人向けの施設は乏しい。あくまでターゲットとする2~12歳の子ども向けのテーマパークといえる。価格設定が大人6900円、子ども(3~12歳)5300円と強気なだけに、「(デートなどで)大人だけでも楽しめそう」と期待して出かけると、肩透かしを食らうかもしれない。レゴランド・ジャパンを運営するのは、英マーリン・エンターテイメンツ。ディズニーのパークを運営するウォルト・ディズニー・アトラクションズに次ぐ世界2位のテーマパーク運営会社だ。レゴランドだけでなく、ろう人形館「マダム・タッソー」など中規模のテーマパーク運営を得意とする。「マーリン社は、ディズニーやUSJと発想がまったく異なる」と指摘するのは、レジャー産業に詳しい余暇産業研究所の井手信雄主席研究員だ。井手氏によると、ディズニーやUSJがパーク内の“世界観”を重視し、ディズニー映画やハリウッドの街並みを再現するなど、大人が歩いても楽しいパークにしている一方、「マーリン社にはそうした世界観を作るという発想は乏しい」(井手氏)と指摘する。実際にレゴランド・ジャパンの園内に足を踏み入れても、レゴの模型は目に付くが、レゴムービーの世界に迷い込んだような独特の世界観は伺いにくい。園外を見渡すと、むき出しの高速道路も目に入る。320億円という抑制した投資額で、“世界観”よりまずは個々の施設の充実を重視した証拠といえるだろう。実はレゴランドは、デンマークのレゴ社がかつて経営難に陥り、その経営権をマーリン・エンターテイメンツを傘下に置く投資会社に売却した経緯がある。今やレゴはレゴムービーや知育教材などで世界中に知られるが、そうしたレゴならではの世界観、テーマ性がレゴランドに十分引き継がれていないと感じるのは、本国でのレゴ社とレゴランドとの“分離”という歴史が影響しているのかもしれない。ただし、レゴランドがこのまま子ども向けだけの施設であり続けるとは限らない。「今の目標達成客数の200万人は手堅い。大きく上回ったときには、大人も楽しめるようなブランド化を進める余地はある」と井手氏も指摘する。ェンセン社長も記者会見で「レゴのターゲットである2~12歳向けをやったうえで、そこから(ターゲットを広げるよう)挑戦していくことは十分にありうる。たとえばレゴランド・ジャパンは、夜の運営もできるように照明を設置している。今後もいろいろと新しいことができるように、計画している」と語っていた。パーク近隣には2018年にホテルや水族館の開業が予定され、拡張に向けた第2期工事も予定されている。このまま子ども向けのパークで終わるのか、大人も楽しめるパークへと進化するのか――。4月1日の開業はレゴランド・ジャパンにとって、次なる進化に向けた第一歩に過ぎないのかもしれない。

(出典 東洋経済オンライン)
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