日雇い労働者の街として知られる大阪市西成区の「あいりん地区」にある簡易宿泊所で昨年9月、身元不明の男性が自殺しているのが見つかった

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「あいりん地区」自殺男性が残した大金2千万円のナゾ


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「あいりん地区」自殺男性が残した大金2千万円のナゾ

2017年2月6日
日雇い労働者の街として知られる大阪市西成区の「あいりん地区」にある簡易宿泊所で昨年9月、身元不明の男性が自殺しているのが見つかった。全国からあいりん地区に集まる人には「ワケあり」の人も多く、死後も身元が判明しないケースは珍しくないが、男性は2千万円もの現金を所持していたことが判明、一躍注目を集めた。身元を示す持ち物は一切なく、発見から4カ月以上が過ぎても、男性が何者だったのかは分かっていない。一体、どうやって大金を手に入れたのか。そもそも、これだけの金を持ちながら、なぜ自ら命を絶たなくてはならなかったのか。謎は深まるばかりだ。男性の遺体が見つかったのは昨年9月18日。大阪市西成区萩之茶屋の簡易宿泊所の4階にある一室で、首をつって死亡していた。遺体は腐敗が進んでおり、異臭に気づいた利用者からの指摘を受けた管理人が発見した。大阪府警西成署は自殺の可能性が高いと判断。室内を調べたところ、現金2095万4577円もの大金が残されていたことも分かった。男性は40歳ぐらいで、身長168センチの痩せ型。黒い短パンを身につけており、所持品は財布2個、黒い小銭入れ、プリペイドカードなど。身分を示すものはなく、結局、男性が誰なのかは分からなかった。関係者や西成署によると、見つかった現金は新札ではなかった。紙幣番号を調べた結果、事件性は確認されなかった。少なくとも銀行や郵便局から奪ったような?犯罪収益?ではないようだ。あいりん地区の簡易宿泊所は、1泊1千円前後の格安価格で利用できるため、労働者や生活保護受給者らが「定宿」にしていることで知られる。こうした場所にそぐわない多額の現金を抱えた人物の自殺。同署幹部も「何の金なのか。なぜ宿泊所に住んでいたのか。謎が多い」と首をひねる。「日本最大のドヤ街」として知られるあいりん地区は、JR新今宮駅の南側に位置する。ドヤとは、簡易宿泊所の「宿」を逆から読んだ名称だ。人口は約2万2千人で、大半が日雇いの仕事で生計を立てる労働者や、元労働者とみられている。かつてはたびたび暴動が起きるなど世間をにぎわせていたが、近年では労働者の高齢化が進んでおり、生活保護の受給者も多い。地区内には、そんな人々が寝泊まりする簡易宿泊所が立ち並んでいる。1泊だけ泊まることも可能だが、通常の賃貸住宅に比べて極めて安いため、継続して住む人もいる。男性の遺体が発見されたのも、そんな場所の一つだった。部屋は2畳半ほどで、布団を敷けば私物を置くわずかなスペースが残るのみ。数年前からここで寝泊まりしていたといい、管理人は「毎日仕事に出ている感じではなかったが、どんな生活をしていたかは分からない」と振り返る。「家賃」は1カ月2万4千円で滞納はなく、毎月きちんと支払っていたが、「(男性とは)ほとんど会話をした記憶がない」という。同地区の簡易宿泊所では、一般のビジネスホテルのように宿帳を記入する必要がなく、料金さえ支払えば誰でも泊まることができる場所が多い。この宿泊所も同じで、男性の名前や住所などは把握していなかった。検視の結果、男性の死亡推定時刻は8月20日ごろとされ、発見時には死後1カ月ほどが経過していたことが判明。一般の賃貸住宅と同様、料金さえ支払っていれば宿泊所側が室内を確認することはなかったといい、管理人は「家賃が滞らずに払われていたため、結果的に発見が遅れた」と話した。男性が大金を所持していたことが公になったのは、昨年11月に「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」として、西成区が官報に記載したのがきっかけだった。厚生労働省によると、行旅死亡人とは「行き倒れなどで死亡したが、名前や住所などが分からず、遺体の引き取り手がない死者」を指す。こうした遺体が見つかると、まず都道府県警が検視などを行い、所持品などから身元の特定を目指す。それでも判明しない場合は自治体が遺体を引き取り、火葬して所持品を管理。その後、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」に基づき、官報に死亡場所や身体的特徴、所持品などが記載される。今回のケースでも、男性の部屋からは身元を示すものは一切出てこなかったため、西成区は行旅死亡人として火葬。昨年11月30日付の官報に記載した。行旅死亡人が所持していた財産は、身元が判明すれば、遺骨などとともに家族や親族に引き渡される。官報には「心当たりの方は申し出てください」との一文も添えられるが、厚労省の担当者は「行旅死亡人になるのは、警察が調べても身元が分からない場合。官報掲載後に身元が判明するのは極めてまれだ」と打ち明ける。官報に記載されて以降、西成区には男性に関する問い合わせが来ているというが、遺体発見から4カ月以上が過ぎた今も、身元を特定するまでには至っていない。厚労省によると、行旅死亡人が財産を所持していた場合、そこから火葬などの費用を支出し、不足した場合は都道府県が負担する。残額については「相続人がいない財産」として扱われ、民法で定められた所定の手続きをとることになる。法務省によると、債権者や相続人からの申し立てがないか家庭裁判所が公告を行い、相続人がいなかった場合、財産は最終的に国庫に帰属することになる。男性の場合は所持金が高額だったため、火葬費用は所持金から捻出してもなお、多額の現金が残る。家裁の公告期間は最低でも8カ月。早ければ今年夏ごろには、?謎の大金?は国庫に入る可能性がある。男性が寝泊まりしていた部屋は現在も閉鎖されており、使用できない状態が続いている。再度部屋を貸し出すには改装が必要だといい、管理人は「なぜ大金があるのにここに住んでいたのか」と首をかしげながら、「それだけあるなら改装費用もそこから出してほしいくらい」とぼやく。男性はどうやって大金を手にしたのか。なぜ狭い簡易宿泊所に住み続け、そこで自ら命を絶つという決断をしたのか。使えば足がつくアングラマネーだったのか、それとも…。真相は闇の中だ。

(出典 産経ニュース)
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